エレクトロホースの概要
1.ホースの構造
エレクトロホースは放電性導電性の良い線径8ミクロン金属短繊維と合 成繊維からなる放電性電極入「エレクトロメッシュ素子」を埋込み成形し たホースである。空気で圧送される粉粒物質とホース内壁間の摩擦が原因 で静電気が発生しても、エレクトロホースは常に静電気を除去しつづける 故に、ホース内表面外表面に静電気が蓄積帯電しない。ホース素材は、塩 化ビニール、酢酸ビニールその他である。
【用途目的】
管路による(化学薬品原料。薬品混合。粉体の食品等)の移送中に管内で発生する静電気を防除する目的や又ホッパー、サイクロン内の静電気による工程ストップ不良品防止の目的。着色粉体付着に原因する掃除時間短縮の目的や吹付塗装機用ホースの静電気電撃防止の目的など多種多様である。
第2図 エレクトロホースと静電気
静電気はメッシュ除電素子を触媒としてコロナ放電する
光子と熱を輻射して消滅する。

2.エレクトロホースの物性(塩化ビニール製の場合)
- 普通品パイプ、ホースの使用時には、流動体とホースの外側表面に (20KV〜40KV)の静電気電圧が帯電する。エレクトロホースを用いれば外側表面電圧を0.2KV〜0.8KVに抑えることができる。
- 最高使用限界温度 65°C(1気圧曲り半径大の場合)
最小使用限界温度 5°C
最小使用曲げ半径 エレクトロホース標準規格の常用圧の 12 で内径×5 折り曲げによる素材のはくりなし(6秒に1回折り曲げ1,000回試験) - 帯電比較表
品名 ホース外表面の帯電圧 人に与える電撃 エレクトロホース 0.2KV〜0.8KV なし 普通品ビニールホース 20KV〜40KV 有り
3.エレクトロホースの使用上の利得
- 本品はエレクトロメッシュ除電素子が埋込み成形してあるので、ホース内に発生する静電気は極めて微弱状態のうちに常時コロナ放電が行なわれる。静電気エネルギーは変換して → 光子及熱を → 輻射して消滅する。静電気は流動して他所に移るのではない。
従って静電気が加重帯電して高電圧にならない。ホース素材の電気絶縁破壊。ピンホール沿面放電強火花放電は起きない。 - エレクトロホースはホース内外表面に静電気帯電が極めて少ないの で、内壁面に「近づいて走る粉末粒子」の静電気をも制御除去できる。
従って管の内表面に流動体の付着は極めて少ない。ホースは透明なので流動体の運動が目視できる。流動体の固形化や続いて起こる剥離の障害も起こらない。 - 色付原料を供給する成形桟の供給管に本品を用いれば、色替えのとき掃除手間がはぶけて利得が多い。
- 空送する物質(原料)の目方が軽く、軽い割に片ぺんの表面積が広いときは、静電気でくっつき易い。エレクトロホースを使用すれば、電磁吸引力を空気送圧力以下に即時に引下げ弱めることができるので、管内滞留固化の障害改善に十二分に働いて効果を得られる。
- 規格試験成績(昭和41年厚生省告示第434号の規格試験)
食品衛生法に適合フェノール 検出せず ホルムアルデヒド 検出せず 重金属 限度内 蒸発残留物 限度内 過マンガン酸カリウム消費量 限度内
3.エレクトロホースの標準規格
マーク m/m |
内径×外形 m/m |
破壊圧 kg/cm2 |
常用圧 kg/cm2 |
重量 kg/m |
素材 |
---|---|---|---|---|---|
※1 12 | 12×18 | 52 | 8 | 0.19 | 酢酸ビニル |
※1 15 | 15×22 | 46 | 8 | 0.27 | 酢酸ビニル |
※2 19 | 19×26 | 38 | 6 | 0.3 | 酢酸ビニル |
※2 25 | 25×33 | 30 | 6 | 0.5 | 塩化ビニル |
※2 38 | 38×48 | 19 | 4 | 0.95 | 塩化ビニル |
※1 63 | 63×80 | 13 | 3 | 2.75 | 塩化ビニル |
※1 受注生産品 100m〜
※2 販売単位 1m〜